潜在保育士とは

保育士の資格を持ってはいるけれど、今は保育現場では働いていない人のことを「潜在保育士」 と言います。
厚生労働省によると、保育士登録者数は約154万人、うち潜在保育士の人数は約95万人存在するとのことです。(出典:保育士の現状と主な取組p22/厚生労働省

潜在保育士は保育施設での勤務経験の有無に応じて、次のようなタイプに分けられます。

(1)保育士資格取得後、保育施設などに勤務した経験がない方
(2)保育士資格取得後、一度は保育施設に勤務した経験があるが、現在は保育現場から離れている方

潜在保育士のなかには、一度は保育施設で働いたものの辞めてしまった人が8割にも上ります。

現在保育現場の人手不足は、深刻な社会問題

現在保育現場の人手不足は、深刻な社会問題となっています。

令和4年4月時点の保育士の有効求人倍率は1.98倍です。
全職種平均の1.17倍と比べると保育士の求人倍率は0.81倍も高くなっており、保育士を探している保育施設は、現在もたくさんあるという状況が伺えます。

また保育士の有効求人倍率は、9割を超える都道府県で1倍を超えています。
限定された地域で保育士が不足しているのではなく、全国的に保育士不足になってるということです。

保育士不足は、潜在保育士の存在と早期離職の2点に大きな要因があると考えられます。
保育士にならない、または保育士として再就職を希望しない保育士が増えている原因には、以下のようなものがあります。

給与が低い

賃金構造基本統計調査によると、令和3年度の保育士の平均月料は25万6,500円。
賞与や手当などその他の給付額の平均は74万4,000円です。

令和2年度は平均月給が24万9,800円、賞与や手当などその他の給付額の平均が74万7,400円だったため、給料は少しずつ増加傾向にはあるものの、他の業種と比べるとまだまだ低く、保育士不足を解消するためには、少なくともそれらと同じくらいまで給料を上げる必要があると考えられます。

負担の大きい労働環境

保育所(園)の開所時間は1日11時間以上のため、時差出勤を交代で行っています。働きやすい環境を工夫して整えている現場も多いですが、常に子どもに注意を向けながら、いろいろなタスクを同時進行で進めていくので、体力面で負担を感じる保育士もいます。

仕事と生活の調和が難しい

子どもを育む仕事にやりがいを感じている反面、仕事と生活の両立に悩む保育士は多いと言われています。

「好きな仕事ではあるけれど、年休が取りにくく、我が子の行事や参観日などに行けなかった」そう話してくれた方もいます。


慢性的な保育士不足を解消するために、保育士の処遇や給与、労働環境の改善、業務負担の軽減など、国もさまざまな施策に取り組んでいます。

しかし実際では、給与関係、仕事量に見合った待遇や環境の整備を求める現役保育士たちの生の声との間には、まだまだギャップがあるのが現状です。

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