学生のつぶやきがきっかけで気づいたこと
保育現場や働く人たちのサポート事業をする一方で、
保育士資格取得を目指している大学生に関わる仕事をしています。
先日、保育士資格取得を目指す学生と話していた時のこと。
「保育士って、お給料安いんですよね」
「人間関係、怖そう」
「知り合いの保育士さん、辞めたいって話してた」
・・・・。
ポジティブな要素が全くない言葉に、何か返さなければと思い、
「いや、処遇改善が進んでいるから、お給料は良くなってきているよ」
「国もいろいろと制度化して、現場も働き方の改善を進めてるよ」
現場を知っているものとして、安心できる一言を言いたいと思ったのですが、
色々検索して、関連する記事の多さを知った学生に、
一つひとつ反論することはできませんでした。
何となく、そのまま話を終えてしまった気持ち悪さを感じていたので
改めて振り返ってみました。
私も同じこと感じてた
目指している仕事に、不安を感じて欲しくないと思いながら、
一方で共感する自分もいました。
現場で働いてきて、人間関係の難しさや働きにくさを感じてきたのは、
私自身の経験の中にもあるのです。
それを何とかしたいと行動に起こして、大きな問題になる前に解決できたこともあったし、絶望に打ちひしがれることもありました。
ただ、まだ現場で仕事をしていない学生にそう言われて、
たじろいだというのが正直な気持ちでした。
先に情報だけが入ってしまう怖さ。
その情報に、「実は私も」なんて添えたらダメだ。
直感的にそう思い、ぼんやりとした言葉しかかけられなかったのでした。
良さも一緒に伝えたい
世の中には、保育の現場はとても大変だという情報が多いです。
保育士働き方で検索すると、様々な課題や対策で溢れていますが、
残念ながら保育の仕事の楽しさや、喜びを知る情報はそれほど多くありません。
働きにくさは確かにそこにあるのですが、保育の仕事は主に成長著しい子どもに関わることが多いので、内面の成長に触れて感動したり、自分自身の保育に手応えを感じる場面もあります。
時間や手立てをかけるほど感動は大きく、専門職としての自信につながります。
例えて言うなら、振り子の振れ幅のようなもの。
片方の振れ幅が大きいと、逆の振れ幅も同じように大きくなります。
つまり大変さと手応え・やりがいは比例していて、仕事の中で自分自身の気持ちの揺れが大きければ大きいほど、味わう手応えも大きくなる気がします。
と語ったところで、このどんよりとした空気感は一掃はできませんが、
より良く整えていくために、保育の豊かさも一緒に伝えられる人でありたいと思います。
今度は突然の質問にも答えられるはず。
ちなみに、前述した絶望に打ちひしがれることもあった私の経験は、
自分だけじゃないんだなと知って、起業につながっていきました。
何がきっかけになるかは誰にもわかりませんが、
マイナスと思っていたことも、自分の大切な経験のひとつなのです。
保育とつながるホイクネクト
現場から離れて保育の外からサポートをしていますが、それでもやはり私は保育士。
保育の現場が働きやすく、この仕事を選択してよかったと言われる仕事にしたいという願いが強いのです。
合同会社ホイクネクトは起業して4年目に突入した、まだハイハイしている乳児くらいの会社です。
働く人たち一人ひとりの価値観を大切にし、風通しの良い職場づくりを目指したいと考える保育施設のお手伝いをしています。
対話のワークショップ、園内研修、保育運営など、ご相談に応じてお手伝いをさせていただいていますので、お気軽にお問い合わせください。